竜と戯る星 第三話
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敵種解説

 飛行型竜は、準討伐困難に分類される竜である。
当初は、討伐困難に分類され、点数も1000点と高いものであった。
その理由は明白であり、彼等は、高度上空から、誘導性の高いミサイルの様な仔竜を用いた
精密な爆撃を仕掛けるという、生物としては特殊で高度な戦術を用いるからであり、
これまで航空機を開発することができなかった兵役層にとっては討伐がほぼ不可能と言う結論に
達したのである。
 高射砲や、対空ミサイルといった対空兵器の運用も考えられたことはあったが、
絶対数が必ずしも多いとは言えない飛行型竜に対し、
物資が乏しい中では不要論が勝ったのも致し方が無いことであろう。
こうして、長らく、制空権は飛行型竜によって握られるという時代が続いたのである。
 状況が変化したのは、航空機を本格的に開発しだしたチームの出現である。
その構想自体は以前からあったのだが、物資が乏しい中で飛行型竜の飛行性能を上回ることができる
航空機を開発することができたチームは無く、ほぼ不可能という結論に達していた。
だが、ルコという少女が、個人用ジェットパックを開発したことにより、全てが一変する。
飛行速度は、航空機と比べて遅いが、どんな航空機と比べても圧倒的に小回りが利く彼等には、
高性能な航空機でも対抗しきれない、そう考えた末の結論が、
「人間を直接飛ばしてしまえ」である。
こうして、飛行型竜をわずかに上回る飛行速度と、飛行型竜に迫る小回り性能を得た人間により、
長らく大空を支配してきた飛行型竜の牙城が崩れたのである。
そうした状況を運営側が考慮したのか、飛行型竜の得点は徐々に引き下げられ、
現在は15点となっている。
ちなみに、飛行型竜の発射するミサイル型竜についても得点を設けるべきという意見は根強く存在するが、
ミサイル型竜の自爆と討伐の区別がつきにくいこと等を理由にしてか、
元から生きた「竜」と見なされていないのか、ミサイル型竜に得点が設定されたことは無い。
 その後、ルコは、空中要塞を造り上げ、飛行型竜に代わる新たな空の支配者となったが、
それはまた別の話である。


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