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頂-ただひとり-の編-あみ- 第八話 11
 

ここ数日、強い霊力が、市内上空を飛びまわっている。

爆発事件の犯人であろう。

特定の位置に留まっているわけでもない相手に、界理結界は使いづらい以上、

かなり、苦戦が強いられるはずだ。神様から与えられた力を使わざるを得ないだろう。

台風の通過予想よろしく、通過地点を予測し、その場所で待つ。

某ビルの屋上、遠くに白い点が見える。来た!

猛スピードで迫ってくるそれは、だんだん、人の姿をしていることがわかってくる。

人が飛んでいる。テレビ等ではよく見る光景だが、実際目にすると、実に異様だ。

向こうはこちらに気付いていない。通り過ぎる前に、こちらに気付かせなければ。

外獅子と内獅子で自己暗示をかけた後、霊力を練る。

一般人には別になんてことないものであるが、この練られた霊力をぶつけられると、

体内の霊力が外にはじき出される。つまり、霊力に頼った術の場合、その術が途切れることを意味する。

下手をすれば、あの人は墜落死だ。だけど、止めるにはこれしか無いだろう。

「当れ!」対象が真上を通過するタイミングを見計らい、刀印を思いっきり突き出す。

と、その瞬間、対象の動きが止まった。

「!」当る直前に、何かを感じて急停止したらしい。何と言う勘の良さ。これも前田の与えた力?

「誰!? 危ないじゃない!」

その言葉に耳を傾けず、私は再び霊力を数発射出する。

彼女は、その霊力を見切り、全てかわす。

ほんの一瞬、彼女を足止めできた、その間に、次の仕込みは完了している。

彼女がその場から逃げだそうとした瞬間、すでに射出してある霊力が、再び彼女に向かって飛んでいく。

それに気付いた彼女は全力で飛び回る。私は、彼女に向けて、射出する霊力を追加していく。

逃げても埒があかないことを悟った彼女は、私に向かって飛んでくる。

それと同時に、私の周囲の霊力が、高密度で集中していくことに気付いた。

「読み通り」

私は、集中した霊力を刀印で切り、それを彼女に向けて撃ち出した。

「!」それを彼女はあっさりかわす。

「うそ!」

何と言う反射速度だ。これも前田が?

何てことを考えているうちに、彼女があっという間に距離を詰め、私の目の前に!

「くっ!」

時速何キロだかわからないが、高スピードで飛び回る物体にぶつかったのだ、吹っ飛ばないわけが無い。

だが、彼女もただではすまない。まあ、お互い割と頑丈に産まれたのが幸いしたのだろうか、

これと言って怪我らしい怪我は無い。

「…や、やあ、はじめまして…」

「ふふん、はじめまして」

鼻で笑ったのか、鼻歌なのか、余裕の笑顔を浮かべ、彼女は挨拶をした。  

 

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