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頂-ただひとり-の編-あみ- 第八話 10
 

小さな頃から、人が苦手だった。

ううん、最初は、人懐っこい子供だったって親は言ってた。

だけど、幼稚園で、園児同士のトラブルに巻き込まれたり、巻き込んだり、そういうのが多くなって、

同じ年の子が恐くなり、それから年が経つにつれて、それ以外の人達も恐くなって…

だけど、人と付き合わなきゃ生きていけないのが人間だから、人並みに友達も作ったし、

笑顔で話すことだって苦ではない。

だけど、私の中の恐怖は消えなかった。

きっかけは、小学校3年の時、友達との何気ない会話の中でポロっと出た「魔法が使えたらなあ」

そんな言葉に、友達が、ちょっと驚いて、「何言ってるの?」って返したこと。

その時はそれだけだったんだけど、あの時、人を遠ざける方法を知った。

多分、私にとって初めての「魔法」

それから、だんだん、私は人前で平気で変なことを言う様になった。

おかしな口癖、どんな場所でも鼻歌を歌う癖、私の周りから、人がどんどん遠ざかっていく。

それでも、私と友達でいたいという変わり者、その人達を私は「真の友」と呼んだ。

「真の友」と共に話す、不思議で、奇妙で、変な事柄、

宇宙人、小人、妖精、お化け、神様、悪魔、そんな人達が織りなす世界の形を、皆で勝手に話し合った。

この人達なら恐くない、だから私はその人達の前で、思いっきり変な自分を発揮した。

そうだ、これが本当の私なんだ、と、本気で思っていたのか、言い聞かせていたのか…

そして、今、私は、本当の魔法を手に入れた。

たまたま覗いた中学校で、ひどいいじめがあったのを見た。

悪い奴は許さない。皆が幸せになるために!

そして、学校は見事、大爆発。だけど、力の調整が難しくって、誰かれ構わずふっとばしちゃった。

仕方ない、正義を為すのに犠牲は必要ってどっかで聞いたことがある。

さあ、悪い奴はいないかな? 困ってる人はいないかな?

あ! あそこにいるのは友達だ。そう、「真の友」!

おーい!

二人とも後ろを振り返った。まあ、当たり前だよね、私が空を飛んでるなんて思いもよらないだろうな。

「上だよー! 上ー!」

二人が私の方を見た!

「おーい! 気付いたー?」

私が呼びかける。

だけど、二人とも返事をしない。

びっくりしちゃってるなあ、仕方ない、降りて話そう。

地面に降り立つ私を見て、二人は半歩下がった。

あー…

まあ、そうだよね…

皆であんな話はしてたけど、別に本気でそういうこと言ってたわけでもないし…

ただただ、夢物語が楽しかっただけなんだよね…

「えーっと、びっくり、させちゃった…かな…?

はは、ごめんね… ちょっと、こんなことができるようになっちゃって…

まあ、その…

さよならっ!」

私は飛び立った。

小さい時から大事にしていたおもちゃがついに壊れて、親に「捨てなさい」と言われた時

そんな時に感じていたのと似たような感じ。

だけど、何かすがすがしかった。

「ふーん、ふん、ふん」何故だろう

「ふんふん、ふーん、ふん」もう、自分を偽る必要も無くなったのに

「ふーん、ふん、ふーん、ららら、らら」何故、鼻歌が出てくるの…?

「ららら、らら、らららーらーらー」こんなにも笑顔いっぱいで…

「あーあ゛ーあ゛ー、あああー、あ゛ーあ゛ー」なのに、こんなに涙があふれて…

「らーららーらーらーあーあああーらーらーらーらー!!!!!」  

 

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