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頂-ただひとり-の編-あみ- 第七話 12
 

誰も私に手を差し伸べない

私に話しかける声も無い

誰も私なんて見てやしない

誰も、私を変えてはくれない

だから、私が誰かを愛することなんてできやしない

私は、何もしてやいないのに、何故か、自分や他人が傷ついている

大きなビルの上から、何本ものナイフを落っことして、「危ないよー」と叫んでいる様なものなのだ

刃物は危ないから皆注意するはずだし、その上、注意を呼びかければ、皆馬鹿じゃないから大丈夫なんだ

そんな風に思っていた。

だけど、ビルの上から落ちるナイフはどんどん加速し、私の声は街の喧騒にかき消されるだけだ。

そうやって、自分の中のナイフを捨てて、「自分の身はきれいなんだ」と言っているのが

笑ってしまうくらいに馬鹿らしい。

傷つかないために、傷つかせない様に生きてきたつもりが、傷つけ、傷つきまくっている…

この世にいなくていい私が、こんなにも無駄に生き延びている意味がもう、わからなくなってしまった。

「これで、もう私は誰も傷つけないよね…」

石の敷き詰められた、平坦な道の上に、格子の様に置いてある、鉄の轍

ここでいいや、もう、疲れた…

私は、そこに腰を下ろす。

初夏なのに、何故か涼しい風が吹く、空がいつの間にか怪しげに暗くなっている。

雲の向こうの太陽が、何だか赤い瞳の様に、こっちを睨んでいる。

信じた人は、いた。

だけど、いつの間にか、消えてしまった…

その人の名前を呼ぼうにも、もう、声なんて出ない…

雨が降り出した。すごい豪雨。私の顔を雨がはたく。

雨の音に混じって、何かの音が聞こえる。低い振動音。

地面からも伝わってくる。

だけど、どうでもいい…

地面に置いた手に、石ころのザラザラした表面を感じる。

なんだか、いとおしかった。

こんな私でも愛せるものがあるのか…

こんな私だから、石ころしか愛せないのか…?

もう、何でもいい…石ころしか愛せないのなら、石ころだって…

その場にうずくまる。

もう、私の姿を見ることのできる者は、いない。

音が近づいてくる。

止まる気配は全くない。

警告も何もない。

誰も私に気付いていない。

私はここに存在すらしていない。

 

いつだったか、すれ違いざまに、「どこ見てるんだ」って言ってた自転車のおじさんがいたっけな。

今日も、怒られるかな…だけど、謝れないな…

 

「ごめんなさい」  

 

11_____■

   

 

 

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