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頂-ただひとり-の編-あみ- 第七話 5
  女の子が、その男と何か話している。

というか、男はただ、女の子の話を聞いている。

そして、「わかった」といった感じで頷いて、私の方に近寄ってくる。

妙な威圧感で、逃げ出したくなるが、同時に足がすくんで動かない。

男が、私の目の前で立ち止まり、

「昨日出会ったという者について聞かせてほしい」と言った。

「…えーっと、初めまして、私は…」

「うむ…これは失礼した、挨拶が無かったな」

人の自己紹介を遮っていちいち謝んなくていいって

で、お互い、自己紹介した。

男の名前は前田堂座。なんか、困ってる人を見つけては能力をあたえてうんぬんかんぬん…って

漫画か何かじゃあるまいし… 変なのに目をつけられちゃったなあ…

女の子の方は、ユキちゃん。前田に助けられて、それ以来前田の手伝いをしているらしい。

何だかんだ言って、この前田ってのにいやらしいことされてるんじゃない?とか邪推してしまう。

で、昨日出会った子について、話をすると、

「ついに、頂が動き出したか」って、「頂」って何?

で、何だかんだと、前田が話すことには、私は、どうやら、「焦る者」ってやつで、

私に何か能力を与えてくれるらしい。昨日の子の言う通りだ。

「で、その能力で、人が死んだり、私が死んだりするの?」

「必ずしも、そうなるわけではない。それは能力の使用者にもよる」

…宝くじの宣伝って、当ること前提の様に聞こえるけど、ほぼ確実に外れるもので…

まあ、いいや。

昨日の子の話なら、彼等の言うことは聞いちゃいけないみたいだけど

どっちを信じればいいのだろう?

正直、どちらも信用できるものではない。

みんな、グルって考えれば、ここで私がどう動いても、想定内なんだろうな…

いっそ、目の前のこの男を殴りつけて逃げ出してしまえば…

だけど、なんかそれも意味無さそうだなあ、強そうだもん。

それとも、この女の子を…

「何をやっても逃げることはできんぞ」

…何でわかったの? この人…

「…お断りするわけには…参りませんでしょうか?」

仕方なく、精一杯の拒否の回答を絞り出した。

生きる価値が無い私とは言え、変な宗教に入るいわれは無いし、

正直言って、そんなの、めんどくさいだろう。

信者を募るための人脈も無いし、壺を売るセールストークだってできやしない。

その上ペナルティまで払わされるとなったら、それこそどうすりゃいい?

「お前は、我々を誤解している様だ…別にお前に何を求めているわけでもない。

お前にただ、能力を与えるだけであり、見返りも何も望まん。

強いて言えば、結果こそが見返りだ」

はあ、それは大層ご立派な…まあ、そこまで言うのなら…

「本当に実害とか無い? 言っとくけど、何かあったら、本当に訴えるよ?」

あても無いハッタリに、前田は

「好きにしろ」と答えた。  

 

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