頂-ただひとり-の編-あみ- 第七話 2
 

堂座は、いつも、遠くを見ている。

近くで何か起こったとしても、あまり動じず、自分に関心が無ければ、さっさと去っていく。

私は、常に、周囲の人間が敵である可能性を考え、行動する様に教えられてきた。

だから、近くで何かあった時は、即座に動き、自分に危害が加わる可能性があるかどうかを瞬時に判断し、

行動するようにしてきた。

同じ、闘いの方法を極めた者同士なのに、堂座は悠然と、私は慌ただしく、事態に対処する。

そのことを、堂座に話したことがある。そしたら、

「どちらが優れている、ということでもない。目前に目を奪われては大義を失うが、

大義を夢見ても、目前の困難に飲み込まれるのみだ。

俺もお前も変わらん。近くで何かが起こった時には、俺だって、判断や対処は、その瞬間に始まるのだ。

ただ、俺とお前では、経験の量が違う。その差が行動の差になって現れているだけだ。

気にする程のことでもない」だって。

こういう言葉からも何か、余裕を感じる。

やっぱり、堂座はすごいなあ…

「…ぼんやりしているなよ、目標が定まった」

「ごめんごめん、見つかったんだ」

「お前は、普通の少女と変わらんな」

「普通の少女だもん、堂座の前では、だけど」

「…」

冗談を言っても、顔色一つ変えない…「むー…」

「無駄話はやめろ、近くだ、接触するぞ」

「うん!」  

 

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