頂-ただひとり-の編-あみ- 第二話 8
 

儀式の翌日

父が新聞を手に私の部屋に来た。

「これ、昨日の依頼のことじゃないか?

被害者は一人じゃないみたいだぞ」

…なんてことだろう…!

彼女が教室でクラスメートを殺害した翌日

同クラスメート6人がほぼ同時刻殺されている!

でも、これは普通に考えたら単独犯じゃない。

彼女に協力者がいるとしか考えられない。新聞もそう報じてる。

肝心の目撃情報は一切なし、殺されたクラスメートが自室にいる時、

何者かによって頸部を圧迫されて死亡。手口が皆同じ。

だけど、クラスメートの家族が誰も気付いていなかった…

まるで、幽霊みたいに、どこからともなく部屋に侵入した様。

…だけど、警察からはそんな情報もらってなかった。

この報道を見て初めて、「私向き」の事件だと思えた。

神様も教えてくれりゃいいのに…まあ、あの神様に何を期待しても無駄か。

「どうする?」

「しょうがないよ…でも、こんなに派手にやってくれれば、こっちとしてもやりやすいよ」

「気をつけろよ、無理するなよ」

「うん…大丈夫。 あ、ちゃんと学校には連絡ね」

「当たり前だ。 それと、今日の分は後でちゃんと先生に聞いて、勉強するんだぞ」

「…はーい」

その直後、電話が鳴り、おばあが出る。昨日の刑事さん達みたいだ。

昨日、ちゃんと話せなかったお詫びをしてくれるらしい。

新聞報道が無ければ、そんなこともしなくて済んだのにね。

一応、あの人たちの立場も簡単なものじゃ無いんだろうな。

私があの場で直接会っていれば、言葉で聞かずとも、どういう事件か大体わかったんだろうな…

これは、今後の課題だ。

さて、準備だ。今日は、神依りは行わない。

もし、彼女に、超常的能力があるのだとしたら、確実にその痕跡は残る。

一般人にはわからない痕跡が。

 

 

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