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頂-ただひとり-の編-あみ- 第22話 10
 

その影が、姿をはっきりとさせるものになるにつれて、鬼達の歩みは抑揚し、

それは、誰ともなく、踊りへと変化していく。

鬼達は、まさに、歓喜に沸いている。

その影の出現が、彼らを沸き立たせているのか、

それとも、人間の精神の奥という牢獄から解放されたが故か、

それは、おそらく両方なのであろう。

そこには、人間同士にある様な、わだかまりも、遠慮も、差別も無く、

全ての鬼が、融合や分裂を繰り返し、時には人間の様に抱擁しあい、口づけを交わしあい、

鬼同士の関係性や、性別など、一切関係なく、文字通り、彼等は触れ合った。

鬼とは、人間や、他の生命体における、本能的行動の原動力である。

つまりは、人間の本能そのものであり、それが、こうして、解放された時に起こる現象は、

暴力や、破壊に満ちたものではなく、愛や慈しみに溢れたものである、という現実には、

興味を持たれる者も多いであろう。

或いは、これが、真の人類平和を実現するためのヒントになり得るかもしれない。

だが、そのヒントをもたらした鬼の出現こそが、人類滅亡を決定づける要素であることは何とも皮肉である

と、言えるだろう。  

 

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