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頂-ただひとり-の編-あみ- 第一話 8
  ところで、私は、実は人の心が読める。

とは言っても、相対して、私に関心を持った人じゃないと無理なんだけど。

多分、私が依り代であることの影響だと思う。

で、この人達は、まあ、心を読むまでもなく、私に対してどう思っているかはわかるんだけど、

少なくとも、私が抵抗することなんて全く考えてはいない、ということを確認しておく。よし。

着ていたパーカーを脱ぐと、金髪の人が反応を示したみたい。

次にトレーナーに手をかけると、その人は全く正常な思考ができなくなっていた。

「でも、私みたいなやせっぽっちじゃ、楽しくないんじゃない?」

「へっへっへ…、むしろお前みたいのがいいんじゃねえかよお!」

と、金髪の人が前のめりになった瞬間、私はパーカーをその顔に投げつけ、

間髪入れずに、全体重を乗せた左足で、彼のみぞおちを蹴った

「ガゥァッ」

声にならない声で喘いだのは彼の方。

言い忘れたけど、宮田家には独自の武術が伝わっていて、私も、歩けるか歩けないかくらいの頃から

おばあの手ほどきを受けていた。

さて、事態の緊急さを感じた、金髪の人の取り巻き達の顔がひきつった。

その中で一人、一生懸命何かを探してるみたい。ああ、ナイフか。

彼は記憶の整理がついてないみたいで、一生懸命、どこのポケットに入れたか思い出そうとしているけど、

彼の思考を読み取った私はナイフの場所を彼よりも早く、ズボンのポケットにあることを割り出して、

おもむろに取り出させてもらった。

「探し物?」

それを素早く首もとに突きつけたら、その人、飛ぶように後退りした。

…皆、あまりに急な出来事で、何が何だかよくわかってないみたい。

その隙に、私は全力で走った。路地裏を出て、人目にさえつく様になれば、彼らにはどうすることもできない。

路地裏を抜けるまであと少し!

だけど何故か、表通りに出られない。

おかしい、そう思って振り返ると、皆、何故か倒れていて、金髪の人だけが立っていた。

彼がこっちに向かってくる。彼の思考を読み取ろうとする。

読めない!彼の思考が読めない!

何者かが乗り移ったの!?

 

 

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