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頂-ただひとり-の編-あみ- 第17話 4
 

近頃、私は、暇さえあれば道場に籠り、型練習を繰り返している。

精神の安定を図ってか、今後に備えてか、自分でもよくわからない。

とにかく、身体を動かしていなければどうにも落ち着かないのだ。

そして、その間、私は、自分の身体内のみの存在となる。

自分の筋肉、内臓、骨、そういったものの位置関係、現在の形状、状態などは、

おそらく正確に把握できている。

自身の各種生理現象、内分泌、神経の働きも、把握できる。

そして、それらを、ある程度は自由にコントロールできる。

どれだけ練習に時間を費やすかを決めれば、それに応じて、尿意や便意を抑えたりもできるし、

激しい動きでも、心肺に負担をかけない様に、心拍や、呼吸をコントロールする事もできる。

いわゆる月経血コントロール的なこともできる。もっとも、これは、

始まった時に、おばあから教わったものだが。

こうして、私は、身体宇宙の世界にどっぷりと埋没していく。

型を移行する度に、世界が変わる。

身体を構成する、あらゆる要素が大移動を繰り返し、一つの型から一つの型へと変化を遂げ、

ピタッと安定する。

そして、再び大変化が始まる。私は、その中で翻弄される一細胞であり、全ての変化を引き起こす全細胞である。

こうしていると、体外で起こる様々な問題が、何やら遠くの世界で起きた出来事の様にも思えてくる。

 

早い話が、逃避だ。

私は目を見開き、道場内の様子を見た。

いつの間にか暗い。日が落ちてしまった様だ。

こんなことをしている場合では無かったはずだ。

だけど、どうしていいのかわからない。

また神様に聞く?

いいや、それは駄目だ。

「これから起こる事、全てをこの目に焼き付けなければならない」

何故か、口から出たこの言葉。誰かが言わせたともつかない。

今は、腰を落ち着け、構える時。

ここで慌てふためいていてもしょうがない。

じっくりと、何かが起こるその時を待たせてもらうこととしよう。  

 

3_____5

   

 

 

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