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頂-ただひとり-の編-あみ- 第14話 6
 

東の空は黒みを増し、西の空は鋭く輝く。

そんな、西の陽光を突然遮る黒い影が現れた。

「!! クァ助…!」

「何をしている、すぐに帰るんだ」

「そこをどきなさいよ、能岡さんを連れて帰るの」

「あのビルには、もう、能岡観里も、波鐘文景もいない」

「どういうこと?」

「能岡観里は、組織により実験台にされようとしていた。

 それを、波鐘文景が、決死の覚悟で救いだしたのだ」

「何故、それをあなたが… そうか、マオさんのところにいるんだね?」

「お前の頼みでも、今あいつらに会わせることはできん。

 互いの為だ、これからあいつらは、人である己を捨てるであろう」

「どういうこと?」

「いずれわかる。

 たたらの結界を破ろうとしても無駄だぞ。

 神により与えられた力とて、人である身が使っても限界があるものだ。

 純粋なたたらの力には到底及ばんさ」

「…能岡さん達を見殺しにしろと?」

「逆だ、あいつらの事を案ずるならば、もう、人と関わらせることは避けねばならん」

「どうして、こういう事に…?」

「初めから定まっていたことだ」

「納得しろと?」

「今は納得せずとも、思い知らされることになる。

 あいつらのことを忘れろとは言わん。

 かつての少女と同じ結果にはならないことも保証する。

 だから…」

「私が納得しても、他に納得しない奴だっているよ」

「ならば、そいつの勝手にさせれば良いだろう。お前が気にすることではない」

「…」

「帰るんだ、お前を心配する者は多くいるのだ」

「能岡さんや、文景さんにだって…」

「だから、あいつらは、俺に言葉を託したのだ。心配するな、また会える、そう言っていた」

「どう考えても気休めだよね、それ…」

「人は、言葉によって救うわけでも救われるわけでもない、行為によってのみ、救い、救われるのだ。

 信じて待つ事ができぬのか? 友なのであろう?」

「…ほんと、あんた、たまにいいこと言うよね… デリカシーの無い鳥の脳味噌のくせして…」

「ほっとけ、所詮、人も鳥も、考えることにそう違いは無いものだ」

そして、クァ助は、どこへともなく飛んでいってしまった。

せめて、港まで送って行けっての、ほんとにデリカシーが無い。

…正直、ほっとした。

心細い気持に、すこしだけ温かさが灯った気がする。

あいつの羽をむしって、羽毛布団でも作れば、それなりのあったかさにはなるのかな、

と馬鹿げた想像をしながらの帰り道は、それほど苦にはならなかった。  

 

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