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頂-ただひとり-の編-あみ- 第12話 12
 

ビルがかなり近くに見える。ついにここまで来た。

「あそこに、真名ちゃんが…?」

たたらの力を最大限に発揮し、霊力を探る。

すると、非常に強力な霊力の壁に阻まれて、その向こうが見えない。

「これは、結界なんてものじゃない…力技の防壁だね」

「これほど強力な霊力を操るとはのう…一人の力ではあるまいな」

「行方不明になったのは皆、イデア能力者だって、東子さんは言ってた…」

「イデア能力…つまり、直接、現実に働きかけるタイプの霊能力…」と能岡さん。

組織に属しているだけあって、詳しいのだろうか?

「こんなところでグダグダ言っててもしょうがない、行こう」

「あ、ちょっと!」文景さんが突然、ビルに向かって歩き出したので、あわてて止めに入るが、

「連れ去られた奴らを返してもらうだけだ、やましい事をしに行くわけじゃないのに、

ためらう必要があるのか?」

「必ずしも、味方ってわけじゃ…」

「俺だって組織の人間だし、本部にも知り合いがいる。

それに、いざとなれば、然るべき対応を取らせてもらうまでだ」

「…」私は返す言葉が見つからなかった。

「あんたの連れは危なっかしい奴だな」

クァ助が能岡さんに言うと、

「そこが困ったところで…」と、ノロケに聞こえるんですけど、能岡さん。

とにかく、私達は、魔城に向けて足を踏み出した。

そこで待ち受けるものが何かも知らず、私達の未来も知らず…

頂としての能力を発揮すれば、世界の因果律はそこで一旦、白紙となり、再び再構築される。

私の幾度かの頂としての能力行使が、世界の形を歪めたのか、それとも、それを含めての決定事項だったのか

それは神でもわからない、いや、わかりながら、私達が彷徨うサマを見て楽しんでいるのだろうか?

私は、天を見上げた。重なり合う雲の縁、太陽の光が透けて見える先に、神の目があるのだろうか?

深淵を覗けば、深淵が覗き返すという。神よ、私の目が見えるか?

その時ばかりは、神を罵る軽口を叩く気は起きなかった。  

 

11_____■

   

 

 

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