頂-ただひとり-の編-あみ- 第12話 1
 

市内で一番高いビル、色々な企業や、店舗がここに入居している。

高いとは言っても、周囲のビル群から、ひょこんと顔を出している様な感じで、

特別驚く様な高さではないが、一応歴史的な建造物が多めなこの街において、

高すぎるビルは難色を示されることが多く、この程度の高さのビルでも

建設にあたり、周辺住民とかなりもめたとか。

そこら辺のことは私の生まれる前の話でよくは知らない。

一応高層ビルの部類であり、簡単に屋上に上がらせてもらえるわけではないのだが、

宮田家と、学園の名前を出したらすんなりOKになった。

このビル、学園のバックの組織に関係する企業も多数入っているとかいないとか。

で、屋上である。さすがにこの高さだと、「高い」という実感が無い。

この高さを超えるビルは、市内には存在しないため、

視界を遮るものは、このビルの屋上にある構造物のみであり、フェンスの上に立つと、

まるで空を飛んでいる様な、この街を支配したかの様な、高揚感、爽快感がある。

こんな状況でこの様な気分になること、それも大事な事だ。

自信に満ち溢れた様な錯覚こそ、高い集中力、精神力、霊力をもって、事に掛れる重要な要素なのだ。

さあ、始めよう。

内獅子の印を組み、精神を集中する。  

 

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