頂-ただひとり-の編-あみ- 第十一話 2
 

勉強会が終わり、解散。

「じゃあ、また明日!」能岡さんの声が響く。

「また明日!」私と真名ちゃんの声も響く。

私が、家路につこうとしたその時、真名ちゃんが私を引き止めた。

「宮田さん、ちょっといいですか?」

「何?」

「さっき、私のノート見てましたよね?」

「…あ、ちょっとわからないところがあったからね…ありがとうね、参考に…」

「誤魔化さないでいいです、穴がいっぱい開いてたの見ましたよね?」

「…」

「穴が開いた時、見ましたよね?」

「…具体的に、どうやって開けたかは見てないけど…」

「私も、どうやって開けてるのか自分でよくわからないです

ただ、ストレスとかプレッシャーとかを感じると、手のひらがパチッってなって

気付いたら開いてます」

「…」

「この穴の事、別に秘密ではないんですが、私の事、気味悪いですか?」

「そんな事…」

「正直に言ってください、私は気味悪がられるのは慣れてますので」

「…何と言えばいいのかな、実は、不思議なことに出会う機会が実は昔から多くて…」

「!? あなたも、薦められてあの学校に来たですか?」

「ああ、あなたも、そういう関係で…」

「あなたには何か能力があるのですか?」

「それこそ気味悪がられないかな…」

「…正直に言ってください、私正直な人なら嫌ったりしません」

「じゃあ、何でもいいや、何か一つ、私への質問を、頭の中に思い浮かべて。

すぐに答えが出そうな奴。数学の問題でもいいよ」

「頭に思い浮かべる、ですか?」

「うん」

「何でもいいですか?」

「うん…

な!? …ちょっ… まあ、女の子同士だから…

黄色の横縞です…」

「!! じゃあ、更に…」

「クマさんのワンポイントが… はい、フリフリついてます…

もう、勘弁して下さい… ええ、普段用です…

そっちは、スポーツ用で… もういいでしょ?」

「ごめんなさいね、調子に乗りました、なるほど、人の心が読めるのですか」

「ただし、こうやって、会話するみたいにお互いが意識し合ってる状態じゃないと駄目なんだ」

「つまり、会話中に相手の嘘を見破ったり、相手の事を探るなんてことができるわけですね?」

「うん…だけど、普段は使ってないよ…地味に疲れるし…それこそ相手に気味悪がられるし…」

「だけどパンツの色とか調べるのに便利ですね」

「調べません、っていうか私が調べられました」

「ふふふっ、ごめんなさいね、結構かわいいパンツを御召しになるのですね。意外です」

「うう…小学校時代は地味なのが多かったんだけど、最近は…」

「色気づいてきたと」

「そういう真名ちゃんはどんなのをはいてるのかな?」

頭の中に入ってきたイメージは、真っ白なパンツで堂々と仁王立ちする真名ちゃんの姿…

「はい…よくわかりました…」

「わかっていただければ結構なのです」

この子の妙なたくましさというか、こういう堂々としたところは何か惹かれるものがある。  

 

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